鼎の軽重を問うべき時【おやじのつぶやき】

国会は首相の所信表明演説に対する代表質問に入った。
消費税増税や外国人労働者受け入れ拡大に向けた入管難民法改正案などについて
野党から論戦が始まっている。
国の行く末を大きく左右する事項であるが故に、
慎重な議論と決定を行ってほしいと願っている。

しかし、都合の悪いものには論点を外し、
自信の主張を一方的に延べるやり方は相変わらずだ。
所信表明では「長さゆえの慢心ではないか、国民の懸念にもしっかりと向き合っていく」
と述べたにも関わらずだ。
9月末の日米交渉の合意では、FTA交渉をTAG交渉と言い換えたような形で
国民を欺くようなやり方を進めている。
ニュースなどで略して見る機会がある日本では違うものというイメージにもなりかねるが
FTA= Free Trade Agreement
TAG= Trade Agreement on Goods
とTAGは貿易協定を物品に限定するという内容で、
「サービス全般の自由化や幅広いルールまで盛り込むことは想定していない」
としているが、今まで重要なところを誤魔化し続けてきた首相の言葉は
とても信じられるものではない。

驚愕せざるを得ないのは、国民には消費税増税を迫っていながら
今年7月に可決された参議院の定数は6議席増やすことに野党からの答弁について、
「既に各党各会派による検討がなされ、結論が出された」とし
自民公明の数の力でゴリ押しした結果は変えない見込みだ。

首相は政権運営について、「謙虚で丁寧な政権運営」を強調したが
綺麗な言葉を並べて国民を欺きつつ
都合の悪いことは忖度によって都合の良い報告に変えられ
国民には政権の都合の良いことだけが伝わっていくやり方を今後も続けるのだろう。

2019年には参議院選挙が控えている。
その間に日本はどのようになるのかは、有権者次第なのである。
安倍首相が今回の結果を受け、どのように捉えるのか。
一党独裁が続くとどのようなことが起きるか考えてほしい。
あの時、投票しなかったからと言っても手遅れだ。
国民の声を届けるのは選挙しかないのである。
私は再三申し上げているが、国民が政治に興味が無いからと言って
選挙へ行かないようでは、自信の声は何も届かないのである。
選挙で国民が政権の鼎の軽重を問わずして、いつ問うというのか。
有権者一人一人はもっと関心を持ち勇気ある投票を行ってほしいと願っている。
一人一人が足を運ぶことで結果は変わってくるはずである。
政治の在り方を決めるのは一人一人の有権者なのである。



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